Rei Frontier Tech Blog

人工知能を活用した位置情報分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」を運営する、レイ・フロンティア株式会社のエンジニアメンバーで運営する技術ブログです。

機械学習で推定。自粛で訪問場所や滞在時間はどう変容したか

レイ・フロンティアの佐藤です。

レイ・フロンティア株式会社では、自動車や鉄道などの交通分野、人流データ等のマーケティング・リサーチ、人の動態分析を必要するヘルスケア、観光など、多様な分野に対して、データ分析力とシステム企画・開発力の両軸で、世界中の人々へ感動体験を提供していきます。
なお、現在では時勢を鑑み、COVID-19の感染防止に有用となる行動分析データを公開しております。

 

弊社独自技術として機械学習を用いた訪問場所、居住地推定がございます。
訪問場所は一定時間滞在していたと推測される場所、居住地推定は1日の中で最も滞在時間が長いと推定される場所が指定されます。
また、プライバシーを配慮しこれらのデータは匿名処理を施した上で個人単位では無く傾向を分析しております。
今回は推定結果を応用して以下の2点について分析しました。

①訪問場所数の変化(1ヶ月間に一定時間訪問した場所の数をカウントしています。)
②居住地平均滞在時間

分析対象エリアは新型コロナの感染者数が増加しつつあり自粛傾向の高かった東京都と、感染者数が発生していない(2020/4/24現在)岩手県を選定しました。

【エリア】
東京都、岩手県
【日付】
■訪問場所数変化
2020年1月1日(水) ~ 2020年3月31日(火)
※月末にデータを処理する都合上3月までとなります
■居住地平均滞在時間
2020年1月1日(水) ~ 2020年4月13日(月)
【調査元】
弊社アプリSilentLogより収集したデータに匿名化処理を施したもの

 

まずは東京都の訪問場所数の変化と居住地平均滞在時間です。

f:id:reifrontier-blog:20200425104453p:plain

f:id:reifrontier-blog:20200424171653p:plain

1月に最も多かった訪問場所数は60箇所前後でしたが3月では全体的に10箇所ほど減少し、全体的にグラフが訪問場所数の少ない方向に移動している事が分ります。
また、居住地平均滞在時間は徐々に増加傾向で3月から4月にかけて約30分増加しています。
東京都では外出先を極力限定し、自宅で過ごす時間が増加しているようです。

 

次に岩手県です。

f:id:reifrontier-blog:20200425104524p:plain

f:id:reifrontier-blog:20200424171837p:plain

岩手県では東京都と比較して人口密度が低い為か、訪問場所数が減少していますが東京都ほど大きな変化は見られません。居住地平均滞在時間は3月から4月にかけて約15分増加、こちらも東京都の半分ほどの増加量でした。
1月2月は雪の影響で居住地平均滞在時間が長かったと考えられます。

Googleが公開しているCOVID-19に関するデータでも東京都では居住地滞在時間が増加、岩手県ではほぼ変化無しという同様の結果が出ておりました。
■参考ページ
https://www.google.com/covid19/mobility/

 

訪問場所の減少は客先訪問だけではなく、気軽な店舗利用や寄り道を減少させた結果として考えられます。自粛が続き生活必需品では無い業種の苦境がますます顕著になる中、今後これらの業種とどのように共存していくかも課題となりそうです。

これから暖かくなりますが不要不急の外出は控え、ご自身や大切な人、このような状況の中で働いてくれている方の為にも混雑緩和を心かけて頂けたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

f:id:reifrontier-blog:20200413135241p:plain  レイ・フロンティアの公式サイトはこちらです
【レイ・フロンティア株式会社・公式サイト】

 

f:id:reifrontier-blog:20200413132836p:plain  SilentLogの公式サイトはこちらです
【SilentLog・公式サイト】

 

■レイ・フロンティアでは共に未来を切り開く仲間を募集しております。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
採用情報:https://www.rei-frontier.jp/recruit/