Rei Frontier Tech Blog

人流データの分析から位置情報技術・AI活用まで、調べたこと・作ったこと・考えたことを書いています。位置情報分析サービス「SilentLog Analytics」を提供する、レイ・フロンティア株式会社のブログです。

東京駅前の歩行速度は3年で時速0.3km遅くなった ― 人流データでみる2023年→2026年

時速5.01kmから時速4.71kmへ。東京駅前は全年代で歩くのが遅くなった

2024年2月に公開した「2023年のデータをもとに歩行速度を調査/年代・地域別」は、いまでも多くの方に読まれている記事です。あれから3年近く経ち、「歩く速さは変わったのか」を確かめたくなりました。

今回は前回と同じテーマを、同一手法で2つの年を測り直す定点比較という形でやり直します。前回記事は47都道府県・通年の集計でしたが、今回は分析経路を弊社の人流データ分析基盤(SilentLog Analytics MCP)に変えたため、集計の物差しが前回とは異なります。そこで前回の数値との直接比較はせず、2023年6月と2026年6月の両方を今回の物差しで測ることで、条件を揃えました。

結論を先に書くと、東京駅前の徒歩速度は3年で時速0.3km下がっていました。しかも特定の年代ではなく、20代から70代以上まで全年代でそろって、です。この記事では、その事実確認と、「なぜか」をどこまで絞り込めるかを、公的なオープンデータと突き合わせながら見ていきます。

調査方法

  • データ: 弊社サービス SilentLog が記録した歩行セグメント(区間ごとの移動距離・所要時間・歩数)
  • 分析経路: 弊社の人流データ分析基盤(SilentLog Analytics MCP)でデータを取得し、集計・検証まで一気通貫で実施
  • 地点: 東京駅・大阪駅・富山駅を中心とした範囲。取得件数の上限により、東京・大阪は駅から実質200〜300m圏、富山は市街地のより広い範囲(最大10km)がサンプルの実態です。このため都市間の比較は「駅前どうし」で条件が近い東京・大阪に限定し、富山は同一都市内の2年比較のみに使います
  • 期間: 2023年6月1日〜30日と2026年6月1日〜30日
  • 「徒歩」の定義: 3分以上30分未満の歩行セグメント。速度は移動距離÷所要時間で算出し、時速1.5〜12kmの範囲外は計測ノイズとして除外
  • 集計単位: 1ユーザー1平均に集約してから全体平均を出しています(よく歩く人にデータが引っ張られるのを防ぐため)
  • 人数: 東京2,079人→2,025人、大阪1,063人→1,020人、富山132人→140人(各年・徒歩の平均を持つユーザー数)

測っている場面が都市で違う ― サンプル範囲の模式図

なお、この数値は弊社サービス利用者の集計であり、日本人全体の代表値ではありません。制約の詳細は記事末尾にまとめました。

結果1: 東京駅前は「全年代そろって」遅くなった

東京駅周辺・徒歩 2023年6月 2026年6月
全体平均 時速5.01km 時速4.71km -0.30km
20代 4.84 4.73 -0.11
30代 5.04 4.71 -0.33
40代 5.08 4.60 -0.48
50代 5.07 4.75 -0.32
60代 5.01 4.64 -0.37
70代以上 4.64 4.55 -0.09

東京駅前・年代別の徒歩速度。全年代で低下

時速0.3kmの低下は、サンプル数(両年とも約2,000人)を踏まえると誤差では説明できない差です。興味深いのは、特定の年代ではなく全年代で低下していることです。もし「高齢化で平均が下がった」のなら、年代別に見れば各年代の速度は変わらないはずですが、そうなっていません。実際、年齢が判明しているユーザーの平均年齢は両年とも45.6歳で同一でした。

結果2: 大阪も緩やかに低下。ただし両年とも東京より速い

大阪駅周辺・徒歩 2023年6月 2026年6月
全体平均 時速5.46km 時速5.31km -0.15km

「大阪の人は歩くのが速い」とよく言われますが、駅前どうしの比較では両年とも大阪が東京を時速0.5km前後上回りました。低下幅は東京の半分で、統計的には差があると言える水準ですが、東京ほど鮮明ではありません。

結果3: 富山は横ばい(誤差の範囲)

富山駅を中心とした市街地では時速4.12km→4.31kmと、むしろ上向きの数字が出ましたが、人数が132〜140人と少なく、誤差の範囲です。なお富山の数字が東京・大阪より遅いのは「富山の人がゆっくり歩く」ことを意味しません。東京・大阪のサンプルが急ぎ足の多い駅前に限られるのに対し、富山は生活圏の広い範囲を含むためで、測っている場面が違います。

ここで注目したいのは、遅くなったのは駅前の2都市だけで、市街地全体を測った富山では起きていないことです。「日本人全体が遅く歩くようになった」のではなく、駅前という場所に固有の何かが起きている——そう考える最初の手がかりになります。

検証1: 天候では説明できない(気象庁データ)

「2026年の6月は雨が多かっただけでは?」という疑問を、気象庁の過去の気象データ(東京・大阪・富山の各観測所、日ごとの値)で確かめました。

6月の天候 降水日数(1mm以上) 総降水量 平均気温
東京 2023 / 2026 15日 / 16日 347mm / 437mm 23.2℃ / 21.5℃
大阪 2023 / 2026 14日 / 14日 262mm / 335mm 23.8℃ / 23.4℃
富山 2023 / 2026 13日 / 11日 213mm / 130mm 22.7℃ / 22.4℃

雨の日数はほぼ同じでした。東京の総降水量は2026年のほうが90mm多いものの、これは特定の大雨日に集中したもので、「歩く日」の条件を大きく変えるのは日数のほうです。気温はむしろ2026年のほうが1.7℃涼しく、歩きやすい条件だったはずです。「天候が悪かったから遅くなった」という説明は成り立ちません

検証2: 「体力が落ちた」でも説明しにくい

年齢構成が同一であることは先に書きましたが、「同じ年代でも体力が落ちているのでは」という可能性もあります。ただ、スポーツ庁の体力・運動能力調査では、高齢者の体力はむしろ長期的な向上傾向が報告されており、3年間で全年代の歩行能力が一斉に下がったと考えるのは不自然です。体力説も主因としては考えにくいと見ています。

仮説の核心: 遅くなった中身は「歩幅」だった

ここからが今回いちばん面白かった発見です。SilentLogのセグメントには歩数が記録されているため、速度の低下を歩幅(1歩の長さ)× ピッチ(1分あたりの歩数)に分解できます。歩数が正常に記録されたセグメントに限った補助分析(東京・2023年1,686人/2026年1,757人)の結果がこれです。

歩幅は-1.5cm、ピッチは変わらない

東京駅前 2023年6月 2026年6月 変化
歩幅 87.2cm 85.7cm -1.5cm
ピッチ 85.7歩/分 85.7歩/分 ±0.0

足の運びのテンポはまったく同じまま、1歩だけが短くなっていました。もし「みんな急がなくなった」のなら、通常はピッチも一緒に落ちます。ピッチを保ったまま歩幅だけが縮むのは、前が詰まっていて歩幅を伸ばせない——つまり混雑した空間の歩き方に近い変化です。

では、何が変わったのか ― 考えられる要因は1つではない

観測対象であるSilentLogの利用者は、ほぼ国内在住の方です。つまりこの3年で「測っている相手」は変わっていません(年齢構成も同一でした)。変わったのは、その人たちが歩く駅前の環境のほうだと考えられます。

ただし、候補になる要因は1つではありません。公的データで確認できる範囲で並べると、次のようになります。

訪日客+52%、雨はほぼ同じ、気温はむしろ涼しい

仮説 中身 今回のデータとの整合
① 歩行者密度の上昇 訪日客の増加を含む駅前の人出回復で、物理的に速く歩けない 強い(歩幅だけ縮みピッチ維持。密度が上がった空間の典型的な歩き方)
② 歩行者の混在 大きな荷物の旅行者・道を探す人が増え、流れが乱れて追い越し・減速が増える 整合(①と同時に起きる。駅は旅行者が最も集中する場所)
③ 工事による動線制約 仮囲い・迂回・道幅の減少で、そもそも真っ直ぐ速く歩けない 整合(東京・大阪の両駅前で大規模工事が同時進行中)
④ 歩きスマホ等の行動変化 画面を見ながらの歩行が増えれば速度は落ちる 弱い(歩きスマホは通常ピッチも落とすが、ピッチは維持されていた。増加を示す直近の統計も確認できず)
⑤ 計測環境の変化 高層化・地下動線によるGPS環境の変化や計測ロジックの更新 一部あり得る(次節)

裏付けを個別に見ます。

① 人出の回復。 日本政府観光局(JNTO)の統計では、訪日外国人は2023年6月の207万人から2026年6月には315万人へ、52%増えました。東京駅・大阪駅は新幹線と空港アクセスの結節点で、増えた人出が最初に集中する場所です。

駅そのものの利用者数でも確認できます。鉄道会社が公表する1日平均乗車人員は、次のとおり増加が続いていました。

駅(乗車人員/日) 2023年度 2024年度 増加率
東京駅(JR東日本 403,831人 434,564人 +7.6%
大阪駅(JR西日本 367,419人 375,503人 +2.2%

※公表は年度単位のため、比較期間(2026年6月)の値はまだ公表されていません。測定期間に向かって駅の利用が増え続けていた、という傍証として読んでください。

ここで注目したいのは対応関係です。駅利用の増加率が大きい東京(+7.6%)ほど速度低下も大きく(時速0.30km減)、増加が緩やかな大阪(+2.2%)は低下も小さい(同0.15km減)。混雑仮説と向きが揃っています。

利用が増えた駅ほど、歩く速さの下がり幅も大きい

③ 駅前の工事。 東京駅周辺では高さ日本一となるTorch Towerを含む大規模再開発が2023年に着工し、2026年現在まさに工事の最盛期です。大阪駅北側でもグラングリーン大阪(うめきた2期)の工事が2027年度の全体竣工に向けて続いています。遅くなった2つの駅前は、どちらも工事の真っ最中なのです。

④ についてはMMD研究所の定点調査など歩きスマホに関する調査は存在するものの、この3年間で増えたことを示す直近のデータは確認できませんでした。また歩きスマホは歩幅と一緒にテンポ(ピッチ)も落とすのが一般的で、「ピッチが完全に維持されている」今回の観測とは噛み合いません。補助的な候補にとどめます。

重要なのは、①〜③は互いに排他的ではなく、同じ時期に同じ場所で同時に起きていることです。どれか1つを主因と断定するのではなく、複数の環境変化が重なった複合的な結果と考えるのが、今回のデータに対して最も誠実な読み方だと考えています。

切り分けの手がかりは、時間が与えてくれます。グラングリーン大阪は2027年度に、Torch Towerは2028年に工事が終わります。工事完了後も速度が戻らなければ「人出」、戻れば「工事」の寄与が大きかったことになる。定点で測り続ける価値は、まさにここにあります。

計測側の留保も書いておきます

歩幅の分析に使った「歩数が正常に記録されたセグメント」に限ると、速度の低下幅は時速0.08kmと、全体の0.30kmより小さくなります。つまり低下幅の一部には、歩き方そのものではなく計測条件の変化(駅周辺の高層化・地下動線の変化によるGPS環境の変化や、アプリの計測ロジックの更新の可能性)が混ざっている可能性があります。「遅くなった」という方向は複数の切り口で一貫していますが、「0.3km」という幅は幅を持って読んでください。

この調査の制約

  • 弊社サービス利用者のデータであり、性別構成は男性に大きく偏っています(性別判明ユーザーの8割超が男性)。年齢が判明しているのは各都市の55〜58%です
  • 東京・大阪は駅前という特殊な場面の速度です。通勤・乗り換えの歩行が多く含まれます
  • 計測はスマートフォンのセンサーによる推定です
  • 統計的な代表性を持つ標本設計ではありません

おわりに

今回の分析は、弊社の人流データ分析基盤(SilentLog Analytics MCP)に、気象庁・JNTO・スポーツ庁のオープンデータを重ねることで、「観測された事実」と「説明できること・できないこと」を切り分けながら進めました。単一のデータで断定するのではなく、公的データで仮説を1つずつ消していく——この進め方自体が、人流データ分析の実務だと思っています。

同じ手法で毎年6月に測れば、「街を歩く速さ」という日常の変化を定点で追いかけられます。来年、歩幅は戻っているでしょうか。

人流データを使った調査・分析にご関心のある方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


出典・参考 - 歩行データ: 弊社SilentLogの記録(2023年6月・2026年6月、各駅を中心に取得) - 天候: 気象庁 過去の気象データ(日ごとの値・降水日数は1mm以上) - 訪日外客数: 日本政府観光局(JNTO) 2023年6月推計値2026年6月推計値 - 体力の長期傾向: スポーツ庁 体力・運動能力調査 - 東京駅前の再開発: 日経クロステック「トーチタワーに首都高地下化、再開発ラッシュで日本橋・八重洲が激変」 - 前回記事: 2023年のデータをもとに歩行速度を調査/年代・地域別

冬がいちばん賑わう街。データで読む岩手県八幡平市の「季節のリレー」

岩手県の観光は、夏が本番です。県全体の観光入込客数は7〜9月が年間で最も多く、逆に1〜3月は最も少ない。雪深い北東北では自然なサイクルです。

ところが、その岩手県に「1月と2月が年間のピーク」という街があります。県北西部、秋田県境の高原の街、八幡平市です。

今回、当社の人流分析基盤SilentLog Analyticsのログと、岩手県の観光統計、総務省の人口移動データを重ねて、この街の一年を読んでみました。見えてきたのは、冬のスキー、初夏の絶景、秋の紅葉と、季節ごとに主役が入れ替わりながら一年が回っていく「季節のリレー」の構造です。八幡平市にお住まいの方、市の観光や移住に関わる方に、自分の街を映す鏡として楽しんでいただければうれしいです。

この記事で使ったデータ

  • 岩手県「令和6年版岩手県観光統計概要」の市町村別・月別観光入込客数
  • 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」2025年(令和7年)の市区町村別データ
  • 当社SilentLog Analyticsの人流ログ(市内4地点の定点観測)

数値の取得条件と読み方の注意は、記事末尾の「データについて」にまとめました。

県全体とは真逆の季節リズム

まず、公的統計で八幡平市の一年を眺めます。

【図1】月別観光入込客数(令和6年)

年間の観光入込客数はおよそ155万人回(令和6年)。県内33市町村では盛岡市や一関市、花巻市などに次ぐ規模で、前年からは8%伸びています。

注目したいのは月別の形です。最も多いのが1月の20.8万人回、次いで2月の19.7万人回。県全体では冬(1〜3月)が最小シーズンなのに、八幡平市だけを見ると冬が年間の頂点にきます。牽引役は、国内有数の規模を誇る安比高原のスキーリゾートです。

そして10月に17.4万人回の第3の峰。八幡平の紅葉シーズンです。夏(8月)の13.1万人回よりも、秋の山のほうが人を集めています。

冬の安比は「泊まりがけ」の濃い滞在

人流ログで安比高原一帯(半径3km)を見ると、冬の賑わいの質が分かります。

2月の滞在ログは8月のおよそ2.7倍。さらに曜日別では金曜と土曜の2日間にログの約7割が集中していました。週末に来て、滑って、泊まる。典型的なウィークエンドリゾートの動きです。

面白いのは「1人あたり」の見方です。冬は1人あたりの滞在記録が夏の約5倍ありました。冬の来訪者は連泊や長時間滞在でエリア内に濃く足跡を残すのに対し、夏は立ち寄り型の軽い訪問が中心という対比です。裏を返すと、夏の安比には「来てはいるが、まだ長く滞在してもらえていない」余地が残っている、という読み方もできます。

初夏、主役は山頂へ。ドラゴンアイの集客力

雪解けの季節になると、人の流れは山頂に移ります。

【図2】八幡平山頂一帯の人流指数(真夏=100)

八幡平山頂・見返峠・藤七温泉を含む一帯の人流を季節ごとに比べると、最も多いのは真夏ではなく、5月下旬から6月中旬でした。指数にして真夏の2倍以上です。

この時期の主役は「八幡平ドラゴンアイ」。山頂近くの鏡沼が雪解けの途中で竜の目のように見える現象で、SNSを通じて全国に知られるようになりました。夏山シーズン本番を上回る人流の峰がここにできていることが、ログからはっきり読み取れます。

紅葉の季節(9月下旬〜10月下旬)も真夏の約1.5倍。山頂一帯に限れば「夏より、春と秋」。これがデータの答えでした。

なお冬の山頂一帯には人流の記録がありません。山頂へ通じる八幡平アスピーテラインは例年11月上旬から4月中旬まで冬季閉鎖されるためです。半年近く閉ざされるからこそ、春の開通は雪の壁の間を走る「雪の回廊」として毎年の風物詩になり、その直後にドラゴンアイの季節がやってきます。閉ざされる時間の長さが、開く瞬間の価値を際立たせている構図です。

暮らしの圏は、観光の波と別のリズムで回る

【図3】生活圏の季節安定

観光地のログが季節で大きく揺れる一方、市役所のある大更駅周辺の生活圏はまったく違う顔を見せました。

冬と夏でログの量はほぼ同水準。時間帯で見ると朝6時から夜22時まで途切れなく分布し、特定の時間に偏りません。通勤、買い物、暮らしのリズムがそのまま出た、生活圏らしいデータです。

これは移住を考える人にとって案外重要な情報だと思います。八幡平市では、観光のピークが押し寄せるエリア(安比、山頂、焼走り)と日々の生活圏(大更周辺)が地理的に分かれています。観光シーズンの賑わいと静かな日常が、同じ市内で無理なく両立している。データはそういう街の構造を示しています。

人の流れ。1年で443人が移り住んだ街

人口移動のデータにも、この街らしさが出ています。

 

【図4】年齢別転入者数(2025年)

2025年の1年間に、市外から八幡平市へ移り住んだ人は443人。年齢別に最も多いのは20代前半の99人で、20〜34歳だけで215人と、転入者のほぼ半分を若い世代が占めます。進学や就職で出ていく数のほうがまだ多く、転出は569人、差し引きでは126人の転出超過です。ただ、これは全国の地方都市に共通する構造で、八幡平市に限った話ではありません。むしろ「毎年これだけの若者が新しく入ってきている」ことのほうが、あまり知られていない事実だと思います。

もうひとつ目を引くのが50代以上です。50〜54歳は+12人、55〜59歳は+7人、65〜79歳も合計+11人と、この世代は出ていく人より入ってくる人のほうが多い。キャリアの後半や退職後の暮らしの場所として、この街を選ぶ人が確かにいる。「大人に選ばれる街」という一面が、統計に表れています。

この転入の中身をもう一段見ると、20代前半の99人の内訳は日本人64人、外国人35人でした。外国人全体では転入90人・転出82人の8人転入超過で、若い転入の一部を外国人が担っています。国際的な人気が高まる安比高原のリゾート雇用と関係している可能性がありますが、この点はデータだけでは断定できないので、仮説にとどめておきます。

データが示す余白

読み終えた統計から、伸びしろと読める箇所を3つ挙げます。

1年でいちばん静かな月は11月(8.8万人回)でした。紅葉が終わり、スキーが始まる前の端境期です。次に静かなのは7月(8.6万人回)。梅雨と夏休み前が重なる時期です。二大シーズンに挟まれたこの2つの谷は、見方を変えれば、新しい呼び物がそのまま上積みになる時期だとも読めます。

そして年間の入込客数は、コロナ前(令和元年の190万人回)と比べるとまだ8割強の水準です。回復は着実に進んでいて、伸びる余地もまだ残っている。データからは、そんな現在地が見えます。

まとめ

4つの定点と3つの統計から見えた八幡平市は、こんな街でした。

  • 県全体の観光が夏型なのに対し、冬が年間ピークという独自のポジション
  • 冬の安比、初夏のドラゴンアイ、秋の紅葉と、季節ごとに主役が入れ替わる「季節のリレー」
  • 観光の波と干渉しない、静かで安定した生活圏
  • 毎年400人超が新しく移り住み、転入の最多は20代。50代以上は転入超過

ひとつの巨大なピークに頼らず、季節ごとの主役がバトンをつないで一年が回る。訪れるなら「いつ来ても、その季節の主役がいる」街であり、暮らすなら「観光の賑わいと日常が干渉しない」街。データは八幡平市のそんな二つの顔を教えてくれました。

データについて

  • 観光入込客数: 岩手県「令和6年版岩手県観光統計概要」表4・表5(市町村別・月別)。「人回」は延べ人数の単位で、同じ人が複数の観光地点を訪れるとその数だけ数えます
  • 人口移動: 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」2025年(令和7年)年報 表11-1〜11-3(市区町村別・移動者)
  • 人流ログ: 当社SilentLog Analyticsによる市内4地点(安比高原・八幡平山頂一帯・焼走り・大更駅周辺、半径2〜3km)の定点観測。2025年9月〜2026年8月の各シーズン、日本時間、移動手段未判定のログを含む全行動種別で集計
  • 人流ログは位置情報アプリ利用者のデータにもとづくパネルデータです。利用者構成は男性・50代以上に偏りがあり、数値は地域全体の来訪者数そのものではありません。この記事の人流ログは、実数ではなく倍率・指数で示しています

この記事の人流分析は、当社の人流分析基盤「SilentLog Analytics」のMCP版を使い、AIアシスタントとの対話形式で行いました。人流データを使った地域や商圏の分析に関心のある自治体・事業者の方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

都道府県87%、市区町村30%。自治体の生成AI導入で、差はどこに生まれているのか

都道府県87.2%、指定都市90.0%、その他の市区町村29.9%。総務省が公表している生成AIの導入率です。同じ国の、同じ制度の下にある組織で、これだけ開いています。

レイ・フロンティア代表の田村です。このたび総務省の制度で、地方公共団体のDX関係アドバイザーとして登録されました。告知は自社サイトのお知らせに書いたので、こちらでは、その手前にある話を書きます。上の3割という数字を、私は現場でどう見ているかという話です。

3割で止まっている理由は、ツールが理由ではない

数字の出どころは、総務省「自治体における生成AI導入状況」(令和7年6月30日版・調査基準日は令和6年12月31日)です。

区分 導入済み 実証中・導入予定を含む
都道府県 87.2% 100%
指定都市 90.0% 100%
その他の市区町村 29.9% 51%

都道府県と指定都市はほぼ行き渡っています。その他の市区町村は3割。実証中と導入予定を足しても、ようやく半分です。

同じ資料に、導入にあたっての課題の上位3つが挙がっています。

  1. 取り組むための人材がいない、または不足している
  2. AI生成物の正確性への懸念がある
  3. 導入効果が不明

別々の課題に見えますが、現場ではひと続きです。使う業務が決まっていなければ、出力をどう確認すべきかも決まらず、何をもって効果とするかも決まりません。そして、それを決める役回りの人がいない。3つ目の「効果が不明」は、たいてい1つ目の「人がいない」の結果として起きています。

つまり断層を作っているのは技術の差ではなく、技術を業務につなぐ役を、誰かが担っているかどうかの差です。都道府県や指定都市には、それを専任でやれる人がいます。人口数万人の自治体には、たいてい、いません。

現場で実際に起きること

私は2025年12月から、岩手県八幡平市のDX戦略統括アーキテクトを務めています。月に一度は市役所に通い、庁内の相談を受けながら、業務の整理や情報システムの棚卸し、職員向けの勉強会に関わってきました。この仕事に限らず、民間企業の支援も含めて、繰り返し出会うのがこういう場面です。

「どのツールがいいですか」から始まる。

これは自治体に限りません。民間企業でもまったく同じです。ただ、この問いに製品名で答えると、ほぼ確実に失敗します。答える前に「どの業務の、どの工程を、誰が」を決めないといけない。決まっていれば選択肢は自然に絞られますし、決まっていなければ、どれを選んでも同じように使われません。

導入が決まったあとで「で、効果はどう測るんですか」と聞かれる。

これが一番もったいない瞬間です。導入前の状態を誰も記録していないので、比べる相手がいない。結果として「なんとなく便利になった気がする」以上のことが言えず、次年度の予算要求で説明に詰まります。

規程や決裁のかたちが決まっていないと、現場は使えない。

民間なら「まず試してみよう」で動けますが、自治体では、その一歩に根拠が要ります。誰の承認で、どの範囲まで、どんな記録を残して使うのか。ここが空白のままツールだけが配られると、まじめな職員ほど使いません。ルールがないから使わない、という判断は、行政組織ではむしろ正しい振る舞いです。

ツールを選ぶ前に決めていること

だから私は、道具の話に入る前に次の3つを決めます。

1つめ、使う業務をひとつに絞る。

全庁展開を最初の目標にしません。「この課の、この作業」まで絞ります。そこまで絞ると、うまくいったかどうかを確かめる人が誰なのか、はっきりします。全庁に薄く配ると、誰も自分の仕事だと思わないまま試行期間が終わります。

2つめ、導入前に現状を測る。

その作業に今どれだけ時間がかかっているかを、始める前に記録します。厳密でなくてかまいません。「だいたい1件30分」で十分です。これがないと、あとから効果を語れません。逆にこれさえあれば、小さな改善でも数字で説明できます。

このとき、作業時間だけを測ると足をすくわれます。確認にかかる時間と、手戻りの回数もあわせて記録してください。 生成AIで下書きが速くなっても、その分だけ確認が増えるなら、業務全体としては軽くなっていません。

もうひとつ注意点があります。ツールに内蔵されている利用統計は、外向けの説明材料としては使えますが、業務が楽になった証明にはなりません。使われた回数と、減った仕事は別物です。この2つは分けて設計してください。

3つめ、使ってよい範囲を先に書いておく。

 完璧なガイドラインは要りません。「この種類の情報は入れない」「出力はそのまま使わず必ず人が確認する」といった数行から始めて、運用しながら足していけばいい。大事なのは、職員が迷ったときに戻れる場所を、最初に作っておくことです。

なぜ、この仕事を続けているのか

「やりたい人がいるのに、進め方が分からないだけで止まっている」という場面を、何度も見てきたからです。担当の方にやる気がないわけではありません。むしろ逆で、まじめな人ほど「根拠がないまま職員に配るわけにはいかない」と考えて、そこで止まる。足りないのは新しいツールではなく、その手前を一緒に整理する相手です。

人口数万人の自治体に、AI専任の職員を置く余裕はありません。ないものねだりをしても仕方がないので、外から入る人間がその役を引き受ける。総務省のアドバイザー制度は、まさにそのために用意された仕組みです。登録したのは、この制度を実際に使ってもらえる状態にしておきたかったからです。

なお、ここで考えたことの多くは、民間企業の支援にもそのまま持ち込めています。予算に制約があり、専任者がおらず、失敗が許されにくく、使う人のITの習熟度に幅がある。この条件で「実際に使われる状態」まで持っていける進め方なら、どの現場でも通用します。

 


本制度によるアドバイザーの派遣は、市区町村からの申請にもとづいて行われます。ご関心のある自治体の方は、都道府県または総務省の担当窓口へお問い合わせください。

制度によらないご相談も歓迎します。民間企業のAI導入についても同様です。

お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

 

参考

量子化モデルの実力検証!AWS EC2でのローカルLLMパフォーマンスチェック



はじめに

こんにちは、CTOの大柿です。
ローカルLLMとして高額なGPUがなくとも動作するLLMや量子化したLLMが数多く公開されてきており、実際どれが使えるのか、どの程度のコストが必要なのかという疑問がわきます。

今回ローカルLLMをAWS EC2で実行するための最低限なインスタンスタイプを比較・検証してみます。ローカルLLMの利用は、コスト削減やデータプライバシーの観点から非常に魅力的です。しかし、適切なインスタンスタイプを選ばないと、期待するパフォーマンスが得られない可能性があります。

まず最初のステップとしてローカルLLMが最低限動作し、1分以内で出力結果を得られるスペックを探ってみたいと思います。

テスト環境と条件

  • EC2インスタンスタイプ
    • c7i.4xlarge:GPU無しのインスタンス
    • g4dn.xlarge:NVIDIA GPUを搭載
    • g5g.xlarge:NVIDIA GPUとARMアーキテクチャを採用
  • LLMフレームワーク: Ollama(llama.cppをバックエンドに持つ)
  • モデル
    • phi3(3B) phi3:mini
    • phi3(14B) phi3:medium
    • gemma(7B)
    • gemma2(9B)
    • qwen2(7B)

の各量子化モデルを利用します。

検証用プロンプト

ある果物屋で、りんごが3個で150円、オレンジが2個で200円です。りんご2個とオレンジ3個を買うといくらになりますか?
ステップバイステップで考えてみましょう。

Chain-of-Thought (CoT) の形式としました。

EC2インスタンスタイプの説明

インスタンスタイプ GPU等 CPU メモリ 料金($/Hour) 料金($/Month) 料金(円/Month)
c7i.4xlarge GPU無し 16 vCPU 32 GB 0.8988 647.136 103,541
g4dn.xlarge 1GPU NVIDIA T4 16GB 4 vCPU 16 GB 0.71 511.2 81,792
g5g.xlarge 1GPU NVIDIA T4G 16GB 4 vCPU AWS Graviton2 (ARM系) 8 GB 0.5669 408.168 65,306
補足
  • 料金:2024年7月時点、オンデマンド料金、東京リージョン
  • 料金($/Month)は 30日間での計算
  • 料金(円/Month)は1ドル160円で計算。1円未満切り捨て。

パフォーマンス計測方法

検証用VPCに検証サーバーを構築し、同VPC内に構築したCloudShellからOllama APIを curlコマンドによりレスポンス時間計測。
計6回計測し、初回を除く5回の平均値を集計。(初回はモデルのロードに時間がかかるため除外)

APIリクエスト

curl -X POST https://{ollama_host}/api/generate -d '{"model": "phi3:medium", "stream":false, "keep_alive":"5m", "options":{"temperature":0}, "prompt":"ある果物屋で、りんごが3個で150円、オレンジが2個で200円です。りんご2個とオレンジ3個を買うといくらになりますか?ステップバイステップで考えてみましょう。"}'
APIパラメータ補足
  • keep_alive : リクエスト後のモデルがメモリに保持されたままになる時間
  • temperature : LLMの出力について、この値が低いほど最も確率が高い回答が選択され、出力は固定化されます。この値を上げると、ランダム性が増すため創造的な出力になります。この検証では出力長の影響を最小化させたかったため 0としました。

その他、Ollama APIドキュメントを参照ください。
github.com

パフォーマンス計測結果

モデル名 phi3:mini phi3:medium gemma gemma2 qwen2
LLMパラメータサイズ 3.82B 14B 8.54B 9.24 7.62B
量子化 Q4_0 Q4_0 Q4_0 Q4_0 Q4_0
インスタンスタイプ
c7i.4xlarge 10.4秒 57.8秒 9.6秒 24秒 22.2秒
g4dn.xlarge 3秒 16秒 2秒 7秒 5.4秒
g5g.xlarge 3秒 21.6秒 3秒 8.4秒 6秒

結論

今回の検証で得られたパフォーマンスとコスト比較において、 g5g.xlarge がベストだと感じました。
ARMベースの低料金およびGPUを搭載したモデルとなります。
g4dn.xlargeの方が、g5g.xlargeより若干高速な結果となりますが差はごくわずかであり、対費用を考慮すると現時点では g5g.xlarge が妥当と考えました。
当然ながら今回の要件、検証方法での結果となりますが、このデータを基準としてそれぞれの要件に合わせてスペックやインスタンスタイプを検討頂ければと思います。
レイ・フロンティア株式会社では、位置情報データの活用した機械学習処理や分析など多くの実績を持っており、生成AIやLLM活用のご相談も受け付けております。興味をお持ちいただいた方はお気軽にお問い合わせください。

おまけ

各モデルの出力結果を参考として記載します。

内容の是非は今回は考慮しておりませんが、パラメータサイズが大きなモデルほど正解を得やすいことが分かります。プロンプトの内容によってはこれらのパラメータサイズでも難しい場面は多いため要件に合わせて検討ください。

モデル名 LLM出力 (g5g.xlargeでの出力)
phi3:mini まず、りんごの価格を計算します。1つのりんごが150円なので、2つあると2 * 150 = 300円になります。次にオレンジの価格を計算します。1つのオレンジが200円なので、3つあると3 * 200 = 600円になります。最 後に、りんごとオレンジの合計価格を求めます。300円(りんご)+ 600円(オレンジ)= 900円です。したがって、2つのりんごと3つのオレンジを買うと合計で900円となります。
phi3:medium この問題を解決するために、以下の手順に従います:\n\n1.りんご2個とオレンジ3個の合計費用を求めます。\n2.ステップ1で見つけた金額が最終的な答えになります。\n\nそれでは、各手順を実行してみましょう:\n\nステップ1:りんご2個とオレンジ3個の合計費用を求める\n- りんごが3個で150円なので、りんご2個は(150/3)*2 = 100円になります。\n- オレンジが2個で200円なので、オレンジ1個は200/2=100円です。したがっamoe, orange3個は(100*3)= 300円になります。\n- りんご2個とオレンジ3個の合計費用を求めるために、それぞれの金額を加算します:100 + 300 = 400円。\n\nステップ2:最終的な答えは400円です。
gemma りんご2個とオレンジ3個を使う場合、りんごの料金は3個分の150円 × 2 = 300円、オレンジの料金は2個分の200円 × 3 = 600円になります。したがって、りんご2個とオレンジ3個を使う場合、合計料金は300円 + 600 円 = **900円**となります
gemma2 ## りんご2個とオレンジ3個の値段を計算してみましょう!\n\n**ステップ1: りんご2個の値段を計算する**\n\n* りんごが3個で150円なので、1個は150円 ÷ 3個 = 50円です。\n* りんご2個の値段は 50円 × 2個 = 100円です。\n\n**ステップ2: オレンジ3個の値段を計算する**\n\n* オレンジが2個で200円なので、1個は200円 ÷ 2個 = 100円です。\n* オレンジ3個の値段は 100円 × 3個 = 300円です。\n\n**ステップ3: りんご2個とオレンジ3個の合計金額を計算する**\n\n* りんご2個の値段 + オレンジ3個の値段 = 合計金額\n* 100円 + 300円 = 400円\n\n\n**答え:** りんご2個とオレンジ3個を買うと、400円となります。
qwen2 まず、りんごの単価を計算します。\n\nりんごは3個で150円なので、1個あたりの値段は \\(150 \\div 3 = 50\\) 円です。\n\n次に、オレンジの単価を計算します。\n\nオレンジは2個で200円なので、1個あたりの値段は \\(200 \\div 2 = 100\\) 円です。\n\n次に、りんごとオレンジの購入量を計算します。\n\nりんごを2個、オレンジを3個買うので、それぞれの総費用は以下のようになります:\n\nりんご: \\(50 \\times 2 = 100\\) 円\nオレンジ: \\(100 \\times 3 = 300\\) 円\n\n最後に、両者の合計を計算します。\n\n\\(100 + 300 = 400\\) 円\n\nしたがって、りんご2個とオレンジ3個を買うと、総額は400円になります。

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キャンプシーズン到来!人気スポットを人流で見る

 

 

1. キャンプシーズン到来

大自然や非日常感を味わうことが醍醐味のキャンプ。
コロナ禍でキャンプブームが加速し、新規参入者も増えたと言われています。
筆者も、まさにコロナ禍で三密を避けるレジャーとしてキャンプデビューを果たした1人です。

真冬の雪中キャンプも焚火や薪ストーブを楽しむ絶好の機会ですが、キャンプ場によっては10月頃から冬季閉鎖をするところが多く、3月から5月に営業再開するキャンプ場もあります。
そこで今回は、人気のキャンプ場7か所をピックアップし、弊社独自に収集している人流データを使って、キャンプ場周辺の滞在傾向を見てみました!
これからキャンプをはじめる方や、どのキャンプ場へ行こうか迷っている方もぜひご覧ください。

 

2. 調査元データ

データは弊社アプリ「SilentLog」から匿名化されたものであり、推定情報に基づいています。
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

<データ概要>

【調査対象期間】
2023/4/1  − 2023/11/30(全調査対象エリア)
2024/4/1  − 2024/6/9(ふもとっぱら)

【調査対象エリア】
・菖蒲ヶ浜キャンプ村(栃木県)
・浩庵キャンプ場(山梨県)
・ほったらかしキャンプ場(山梨県)
・戸隠キャンプ場(長野県)
・ふもとっぱら(静岡県)
・朝霧ジャンボリーオートキャンプ場(静岡県)
・マキノ高原キャンプ場(滋賀県)

【滞在者数】
2023/4/1  − 2023/11/30にマップに表示された滞在者合計数を100とした時の比率

【推定居住地】
弊社アプリSilentLogより収集したデータに当社独自の機械学習推定処理を利用

【結果まとめ】
・調査したキャンプ場の中で「ふもとっぱら」キャンプ場の滞在データが最も多い
・居住地からアクセスの良いキャンプ場が選ばれる傾向が強い
・キャンプ場によって景観や広さ、利便性など様々なスタイルに合わせたプランがある

 

3. キャンプ場の滞在データ

弊社で取集したデータはAI(機械学習)を用いて各種移動方法を自動で判別して記録しております。この技術はスマートフォンのGPSとセンサーから元となるデータを細かく取得しているので、どういった手段で移動しているか、移動距離や速度、経路をもとにユーザーの行動種別を推測するものです。

マップ上の黄色い点は「自転車」、オレンジの点は「車」、緑の点は「徒歩」、白い点は「滞在」を示しています。
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

【調査対象キャンプ場の滞在データ】

・菖蒲ヶ浜キャンプ村(栃木県)

「菖蒲ヶ浜キャンプ村」はサイト内に車の乗り入れができず、荷物の運び出しは駐車場とキャンプ場間をリアカーなどで移動することになります。車の乗り入れがない分、大自然に集中することができ、中禅寺湖を眺めることもできます。

・浩庵キャンプ場(山梨県)

「浩庵キャンプ場」は本栖湖半北岸の湖畔に面したところにテントサイトがあります。富士山を真正面に見ることができる最高のロケーションで人気のキャンプ場です。キャビンもありますが、フリーサイトは区画分けしていないのでお好きな場所でテントを張ることができます。

・ほったらかしキャンプ場(山梨県)

「ほったらかしキャンプ場」は、有名なほったらかし温泉のすぐ奥にあるキャンプ場で、日の出を見ながら入浴するのが目当てのキャンパーもいるそうです。様々なサイトがありますが区画サイトとなっており、車の乗り入れ台数に制限があります。

・戸隠キャンプ場(長野県)

「戸隠キャンプ場」は妙高戸隠連山国立公園内に位置する標高1,200mのキャンプ場で、広大なフリーサイトになっています。その他にも区画サイトや電源水道付きサイトなど、手持ちのギアやキャンプスタイルに合わせてキャンプサイトを選ぶことができ、こちらも全面車の乗り入れが可能です。また、場内に併設されている戸隠牧場は牛や馬が放牧されファミリーキャンプにもおすすめです。

・ふもとっぱら(静岡県)

「ふもとっぱら」は広大な草原サイトでどこからでも富士山と毛無山を眺めることができる有名なキャンプ場です。全面フリーサイトで車両を乗り入れてテントに横付けできる利便性からも多くのキャンパーから愛されています。

・朝霧ジャンボリーオートキャンプ場(静岡県)

「朝霧ジャンボリーオートキャンプ場」は広大な風景に富士山という絶景が楽しめる全面芝地のオートキャンプ場。370キロ平方メートルにわたる高原型のフリーサイトでテントの真横に車を乗り入れられるのでファミリーキャンプにもおすすめです。

・マキノ高原キャンプ場(滋賀県)

「マキノ高原キャンプ場」は広大な土地に6つのキャンプサイトがあり、林間や川辺、芝生の上や森の中などお好みのスタイルに合わせてサイトを選ぶことができます。森の隠れ家サイト以外はフリーサイトとなっており、お好きな場所でテントを張ることができます。


マップ上の滞在を見ると各キャンプ場で徒歩や車での移動が多く見られました。
オートサイトではなくても荷物の積み下ろしのためサイト付近まで車の乗り入れが可能なキャンプ場もあります。車(オレンジの点)が見られず、徒歩(緑の点)と滞在(白い点)のみが密集しているエリアは車の乗り入れが少ない、もしくはできないエリアなのだと推測できます。

 

【調査対象キャンプ場の滞在割合】

今回調査したそれぞれのキャンプ場の滞在数を合計したものを100とした場合、各キャンプ場の滞在割合を出してみました。
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

敷地面積が東京ドーム5個分とも言われる広大な草原にある「ふもとっぱら」キャンプ場は、フリーサイトでテントやタープを自由に張ることができます。ベテランキャンパーはもちろん、絶景を愛するキャンパーにとってもたまらないキャンプ場でしょう。収容人数も多く、今回調査したキャンプ場の合計滞在数の約1/4を占めていました。

 

【キャンプ場における「サイト」とは】

キャンプ場には様々なサイト(テントを張って宿泊などができるエリアや区画)があり、一般的には以下のようなキャンプサイトがあります。

・フリーサイト
区画が明確に定められておらず、広いエリアの中で自由に場所を選んでテントを張る形式。自然をより身近に感じられ、大きなテントやタープを設営しやすい。

・区画サイト
あらかじめ区画が決められているキャンプサイト。サイトごとに予約が必要なことが多い。区画分けされているのでプライバシーが確保しやすいメリットがある。

・グランピングサイト
豪華な設備や快適な宿泊環境が整ったサイト。テントやコテージにはベッドや家具が備え付けられていることが多く、初心者やちょっと贅沢な体験をしたい方にぴったり。

・オートキャンプサイト
車をキャンプサイト内に直接乗り入れて駐車できるエリアや区画。荷物の搬入が楽で、ファミリーや初心者に人気。

・ドッグランサイト
区画に柵が設置されていることが多く、サイト内であればノーリードで愛犬とキャンプを楽しむことができる。

 

4.キャンプ場利用者の属性

弊社で取集したデータはAI(機械学習)を用いて、推定居住地や推定年齢を出すことができます。この技術によって、どの地域からどのような人が目的地に来ているかなど、人物のペルソナ像を浮かび上がらせることができます。どの地域から各キャンプ場に来ているか見てみましょう。
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

 

・菖蒲ヶ浜キャンプ村(栃木県)

・浩庵キャンプ場(山梨県)

・ほったらかしキャンプ場(山梨県)

・戸隠キャンプ場(長野県)

・ふもとっぱら(静岡県)

・朝霧ジャンボリーオートキャンプ場(静岡県)

・マキノ高原キャンプ場(滋賀県)

推定居住地が東京のSilentLogユーザーが多いこともありますが、関東圏のキャンプ場では東京、神奈川、埼玉からのユーザーが多く見られました。
一方、滋賀県にある「マキノ高原キャンプ場」では、滋賀県近隣地域からのデータが多く見られました。

ここで、今回の調査対象キャンプ場の中で滞在割合が最も多かった「ふもとっぱら」キャンプ場の最新(2024年4月1日~6月9日)滞在状況を見てみましょう。

 

すでに多くの滞在データが見られました。

現時点での推定居住地データによると、『ふもとっぱら』キャンプ場へのアクセスが良い近郊の県からの利用者が多くの割合を占めています。これから夏休みなどの長期連休に入ると、遠方から訪れるキャンパーの滞在が増えるのかもしれません。年単位で推移を見てみるのも面白そうですね。

 

5.今回のまとめと今後の展望

今回の調査結果を通じて、キャンプ場の利用状況やユーザーの傾向を見ていきましたが、「ふもとっぱら」キャンプ場が最も滞在データが多く、非常に人気が高いキャンプ場ということがデータからも分かりました。広大な敷地や豊かな自然環境、富士山の眺望などが多くのキャンパーにとって魅力的な要素なのかもしれません。

遠征して他の地域のキャンプ場を訪れるキャンパーも多く存在しますが、全体としてはアクセスの良いキャンプ場が選ばれる傾向が確認されました。これにより、キャンプ場の立地や交通の便が利用者数に影響を与えていると考えられます。

このように弊社独自で収集した人流データを使って、キャンプ場の運営者は主要都市からのアクセス改善や特定地域向けのプロモーション活動を強化するなど、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。キャンパーにとっても、自分の住んでいる地域からアクセスしやすいキャンプ場の情報を事前に調べることが、快適で楽しいキャンプ体験をするための重要なポイントとなるでしょう。

今後も位置情報データを活用して、各種施設の利用傾向や地域の特性を探ることで、より効果的な施策やサービスの提供に努めていきます。レイ・フロンティアは、最新の技術を駆使し、地域社会と連携しながら、より良い未来の構築に取り組んで参ります。

 

 

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仕事終わりに私たちはどこに寄り道してから帰宅しているのか 2024年2月のデータを用いて無意識の行動に迫る

 

今回の分析の一部を朝日新聞社が運営する「withnews」に取り上げていただきました。
こちらもぜひご覧ください。

withnews.jp

 

1. 外出先から帰宅まで

先日公開した「週末の寄り道先ブログ」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000011357.html)が好評だったため、範囲を広げ平日も追加で調査を行いました。
前回は週末ということでそれぞれが目的地へ向かい、その帰りにどこかへ寄り道するようなイメージでしたが、今回のブログでは「平日に大半の方はお仕事をしている」と仮定して午後からの寄り道先を、時間別、曜日別、目的地別に調査してみました。
弊社に蓄積されているデータを用いて、無意識の行動や傾向について考えてみましょう。

2. 調査元データ

データは弊社アプリ「SilentLog」から匿名化されたものであり、推定情報に基づいています。
SilentLog:日々の歩数や移動などの位置情報と写真を自動的に記録するライフログアプリ
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

<データ概要> 

調査対象期間 2024年2月の全曜日(午後の移動データのみ)を対象
調査対象エリア 47 都道府県
調査対象者 期間内に帰宅の履歴があるユーザー
※外出していないなど帰宅のデータがない方は除外
調査対象者数 調査期間中の対象ユーザーデータを100とした時の比率
推定年齢
推定居住地
弊社アプリSilentLogより収集したデータに独自の機械学習推定処理を利用

<寄り道の定義>

今回の調査で扱う「寄り道」の仮定

「職場 or 最長滞在場所」から自宅の経路における以下の条件に合致する滞在地を寄り道先とする。
・午後(12時~23時59分)の移動を対象
・3分以上60分未満の滞在
・1分あたり平均20歩以上

除外される例 ・営業など移動ばかりの人
・自宅に帰らない人
・長時間滞在(目的地であって寄り道先とは考えない:飲み会など)
・3分以上滞在するがほとんど歩かない(カフェで時間つぶしなど)
・直帰「職場 or 最長滞在場所」から自宅の経路において寄り道がない(検知されない)経路の場合

今回の調査で扱う「直帰」の仮定 [職場 or 最長滞在場所] から自宅の経路において寄り道がない(検知されない)経路を直帰とする。
滞在場所について 自宅・職場:推定データ
最長滞在場所:自宅、職場以外の滞在のうち、1時間以上の滞在場所
寄り道先の業種 寄り道先とOSM(OpenStreetMap)データとのPOIマッチングによるOSMカテゴリ値
※GPSのズレで寄り道先や商業施設に違いがある可能性がございます。
※OSMカテゴリは登録した方の情報で表示されるため表記ブレがある可能性がございます。

OSM(OpenStreetMap):誰でも自由に地図を使えるよう、みんなでオープンデータの地理情報を作るプロジェクトです。地図のWikipediaとも言われています。

【結果まとめ】
・平日と比べ土日の寄り道比率が高いという結果となった
・年代別・都道府県別で見ても女性の方が若干多く寄り道をしている
・平日と週末だけでなく、平日の中でもそれぞれに寄り道先の特徴が見られた

 

3. 調査対象について(都道府県・年代・性別)

今回もはじめに、SilentLogユーザー全体を調査しました。

寄り道と直帰のユーザーを比較したところ、寄り道比率(全対象日)は10.0%でした。

 

次に、曜日別で見ると土曜、日曜の寄り道比率が高くなっています。
平日の中でも水曜と木曜の寄り道率が若干低いです。
週末は時間的な余裕などから寄り道する確率が高くなると推測。
平日は食料品や日用品の買い物などルーティン的な寄り道の数が多いようです。


調査期間中に寄り道データのある10.0%の対象ユーザーデータを100とした時の比率で【都道府県別】【年代】【性別】をそれぞれグラフ化しました。

【都道府県別】

SilentLog利用ユーザー数に比例した結果となり、関東首都圏のユーザーが多いです。

【年代別】

50代が最も多い結果となりました。

【性別】

男性が3/4を占めています

 

今回調査に使用したライフログアプリ『SilentLog』はこちら

silentlog.com

このブログは位置情報からアプリ利用者の生活スタイルを解析しているレイ・フロンティア株式会社の提供でお送りしています。

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4. 寄り道してる人ってどんな人?

【都道府県別】

島根県、富山県、青森県、岩手県、山形県、秋田県、新潟県、徳島県、長野県、岡山県
など、主に自動車が主要な移動手段と考えられる地域で寄り道率が高い結果となりました。調査対象期間が2月の冬ということで、たまたまかもしれませんが今回の結果では日本海側、東北地域が寄り道率が高くなる傾向でした。他の季節で調査して差異を見るのもおもしろそうですね。
※島根県、富山県、青森県の3県は、調査対象人数が少ないためブレが大きい可能性があります

【年代別】

対象ユーザー全体では50代が多かったですが、寄り道ユーザーの結果から40代、60代の寄り道率が若干高いです。年代別でも女性の寄り道率が比較的高い結果となりました。
※10代、70代はサンプル数が少ない関係で今回の分析から推測はできませんでした

【性別】

対象ユーザーは全体で男性が3/4を占めていましたが、寄り道ユーザーの結果から女性の方が寄り道率が若干高く、曜日別でも女性がほぼ全曜日で高い結果となりました。

5. 曜日別の寄り道先ってどんなところ?

【曜日ごとの寄り道先ランキング】

曜日ごとに対象者を100とした場合の寄り道先トップ15の割合を出してみました。


<月曜日>


<火曜日>


<水曜日>


<木曜日>


<金曜日>


<土曜日>


<日曜日>


どの曜日も「デパート・モール」「商業施設など」「店舗」といった買い物ができる場所への寄り道が多いことがわかりました。
平日は「駅」が常に上位にランクインしていることから通勤などで電車利用が多いと推測します。
曜日ごとに特徴のある寄り道先をオレンジ色のグラフ、「病院」を水色のグラフにしています。

平日は水曜を除き「保育園・幼稚園」がランクインしています。
これは、働き世代が退勤後にお子さんを迎えに行っているのだと推測します。
「病院」が月曜と水曜に上位へランクインしていることから、病院が土日お休みの関係で月曜に駆け込む方や、水曜のノー残業デーに合わせて通院している方もいるのかもしれません。

【曜日と時間別の寄り道先ランキング】

次に時間ごとにどこへ寄り道しているかトップ3でまとめてみました。

<月曜日>


月曜日は夕方まで「保育園・幼稚園」「デパート・モール」「工場・倉庫」「観光地」などさまざまな場所が1位にランクインしています。2月は月曜に祝日があったことからこのような結果になったのかもしれません。
夕方あたりから「商業施設」「駅」が1位にランクインしていることから、お出掛けしている方もお仕事の方も買い物で寄り道しているのだと推測できます。

<火曜日>

火曜日は「ドラッグストア」が1位にランクインしている時間帯が多いです。
緊急で必要なものやちょっとした日用品の買い出しで利用しやすいドラッグストアですが、データからも寄り道先スポットとして立ち寄りが多い場所だとわかりました。

<水曜日>

水曜日は昼過ぎから「デパート・モール」の立ち寄りが多く見られました。
お客様先へのお土産など仕事途中での買い出しに出ている可能性も考えられます。
「ファストフード店」は火曜でも12時台で1位でしたが、水曜も同様にランチで寄り道している様子が見られます。

<木曜日>


木曜日は他の平日と違い、「スポーツ施設」が1位にランクインしていました。
週末に向けて木曜を運動のルーティンに組み込んでいる方が多いのかもしれません。
23時台に「スーパーマーケット」が1位なのも興味深いです。

<金曜日>


金曜日はどの時間帯も「駅」が1位にランクインしています。
夕方あたりから「商業施設」「デパート・モール」が1位にランクインしていることから、週末の仕事終わりに買い物などで寄り道をしている様子が推測できます。

<土曜日>

土曜日は「観光地」「空港・バスターミナル等」が上位にランクインしています。
休日なので遠出や、そのための移動をしているのだと推測できます。
また、金曜と日曜にランクインしていない「スポーツ施設」が22時台に1位になっています。もしかしたら、土曜は一通り予定を終わらせて帰宅前にジムなどで鍛えてから帰宅する方が多い傾向にあるのかもしれません。
23時台の3位にランクインしている「ファストフード店」ですが、次の日は日曜なので、ファーストフードを夜食に夜更かしを楽しむのでしょうか。楽しい土曜の過ごし方のひとつですね。

<日曜日>

日曜日はお昼に「ファストフード店」が1位にランクイン。
それ以外の時間帯に「観光地」「オフィス」「駅」が上位に入っています。
ここに出てくるオフィスは、必ずしも勤務先のオフィスという訳ではなく、OSM(OpenStreetMap)上でオフィスとして登録されている場所となります。そのため、もしかすると何かしらの店舗である可能性もありますが、日曜は特にオフィスへの寄り道が多く見られました。
また、23時台の「空港・バスターミナル等」は次の日から平日のため居住地に帰宅するために利用しているものだと推測できます。

6. まとめ

今回は週末だけでなく、全曜日の寄り道について調査してみましたがいかがだったでしょうか。
平日は保育園・幼稚園が多くランクインしていたり、休み明けの月曜や週の真ん中である水曜に病院への寄り道がみられたりなど曜日ごとの特徴が出ていたように感じます。
※ データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

今回の調査でもPOIマッチングを活用して寄り道先を推定しましたが、GPSや基地局を使った移動データの収集は人混みや地下鉄、屋内や建物が密集しているところなど電波状況によってズレが生じるため、まだまだ完全一致できるほどの精度ではないことが課題です。しかし、将来的に自動運転の導入を目指し、今よりも精度の高い測位システムが導入されていくことでGPSや基地局による補正の精度が上がっていく未来に期待したいと思います。

レイ・フロンティアは今後も位置情報からわかる人の行動データを活用し、年代や地域ごとの特性や関心のあることなどを分析し、より効果的な施策やサービスの提供に貢献してまいります。最新技術を取り入れ、地域社会と協力しながら、より良い未来の構築に挑戦していきます。
 
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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岩手県「三陸鉄道」の魅力を人流データで見る! ~ 開業40周年!注目のローカル列車 ~



 

 

1. 三陸鉄道ってどんな列車?

岩手県の海岸沿いを走る地元住民の足として欠かせない三陸鉄道(通称:さんてつ)をご存じでしょうか?

東日本大震災や台風など自然災害などを乗り越え、何度も立ち上がり、走り続けてきた岩手県の三陸鉄道。 2019年には旧JR山田線から宮古〜釜石間が移管され、第三セクターとしては日本最長の、全長163kmとなりました。
三陸鉄道リアス線は「盛駅」~「久慈駅」間で南北に縦貫するような形で繋がっており、全駅が岩手県に位置しています。

座席がこたつ仕様で、太平洋を眺めながら三陸の海の幸が詰まったお弁当を楽しむことができる冬の名物「こたつ列車」のほか、季節ごとのイベントを行っているローカル列車で、地元住民だけでなく観光客からも愛されています。
三陸鉄道は2024年4月1日に開業40周年を迎え様々なキャンペーンを実施しており、今年はさらに盛り上がりを見せている注目の鉄道です。

今回はそんな三陸鉄道の主要駅にフォーカスし、弊社独自に収集している人流データを使って、岩手県の魅力と駅周辺の滞在傾向を見てみました!
自然が堪能できる旅先をお探しの方や列車旅にご興味のある方もぜひご覧ください。

 

2. 主要駅と観光スポット

三陸鉄道リアス線の起点「盛駅」、終点「久慈駅」のほか、別の路線への乗り換えに利用する「宮古駅」「釜石駅」など主要駅はいくつかありますが、その他にも撮影スポットとして有名であったり、駅舎が特徴的など主要駅以外にも魅力的な駅はあります。そこで今回は以下の8駅に絞って観光地をご紹介します。

盛(さかり)駅

大船渡市にある、三陸鉄道起点となる盛駅。
椿の里とも言われています。「長谷寺(ちょうこくじ)」「天神山(てんじんやま)公園」「長安寺(ちょうあんじ)」などがあります。

釜石(かまいし)駅

桜の名所として人気のある「薬師公園」があります。『JR釜石線 花巻駅』行きの乗り換えに利用する駅であり、鉄と魚とラグビーの街とも言われています。駅前広場の「釜石復興の鐘」は、東日本大震災の犠牲者の鎮魂と復興への祈りが込められ全国の支援者の協力で建てられました。その他にも「イオンタウン釜石店」「釜石市民ホールTETTO」など大きい施設がある駅です。

大槌(おおつち)駅

ひょうたん型の駅舎は蓬莱島を模したデザインになっています。大槌町に所在する「蓬莱島」は、ひょうたん島の愛称で大槌町の人々に親しまれています。

宮古(みやこ)駅

『JR山田線 盛岡駅』行きの乗り換えに利用する駅であり、駅前の観光案内所等で最東端訪問証明書が購入できます。観光スポットは、遊覧船「うみねこ丸」での周遊や「浄土ヶ浜」など。休憩スペースで買ったお刺身が食べられる「宮古市魚菜市場」などもあります。

普代(ふだい)駅

道の駅を併設しているので売店や、休憩スペースがあります。お土産の購入に立ち寄るのもいいですね。昆布の粉末を練りこんだ「こんぶソフトクリーム」は塩気があり濃厚ミルクに合う一品だそうです。

堀内(ほりない)駅

ドラマのロケ地にも使用された駅です。リアス線で一番の車窓を楽しめるスポットとも言われています。
堀内駅と白井海岸駅の間にあり、太平洋を一望できる「大沢橋梁」は長さ156m、高さ30mあり、路線一番の景勝地のようです。親潮と黒潮がぶつかることで豊かな海の幸に恵まれ世界三大漁場に数えられています。そしてもうひとつ、野田玉川駅と堀内駅の間には、長さ302m、高さ33mの「安家川(あっかがわ)橋梁」があり、秋にはたくさんの鮭が川を遡上する光景を見ることができるそうです。
どちらもよく見えるように、日中帯には乗客が撮影できるように橋の上で列車が一時停車、または徐行するので観光客も安心して写真に収めることができます。

陸中野田(りくちゅうのだ)駅

三陸鉄道と村営・市民バスの駅で、観光物産館、産直施設を併設している「道の駅のだ」があります。「観光物産館ぱあぷる」の名称は十府ケ浦(とふがうら)海岸の「小豆砂」が由来だそうです。道の駅で購入できる「のだ塩ソフト」が有名で、他にはお魚センターや、のんちゃんパークと呼ばれている十府ヶ浦公園があります。

久慈(くじ)駅

リアス線の最北端に位置し、三陸鉄道終点となる久慈駅。
ドラマの舞台モデルとなり、ドラマ内ではロケ地として使われた「小袖海岸」があります。街中にはドラマにまつわるイラストや展示がたくさんあります。

3.駅周辺と観光地の滞在から魅力に迫る

弊社で取集したデータはAI(機械学習)を用いて各種移動方法を自動で判別して記録しております。この技術は行動パターンから人物のペルソナ像を浮かび上がらせることができ、興味関心のあることや推定居住地を出すことができます。今回はそのデータから三陸鉄道駅周辺の滞在を見てみました。
※施設名などフォーカスしていない細かい滞在が集中している場所は商業施設や会社などが集まっているスポットです。

盛駅

三陸鉄道起点となる盛駅は大船渡の玄関となる場所です。
駅周辺には商業施設や市役所、市民会館や病院など地域住民の方が訪れる場所での滞在が見られました。

釜石駅

『JR釜石線』の乗り換えに利用する駅のため、他の駅と比べ駅周辺での滞在が多く見られました。商業施設や宿泊施設もありますが、駅から離れたところにある「イオンタウン釜石」「釜石市民ホールTETTO」など大きい施設周辺でも滞在が多く見られました。

大槌駅

ひょうたん島の愛称で親しまれている「蓬莱島」に滞在が見られました。
地元住民だけでなく観光客も訪れるスポットのようです。
「ますと乃湯」の近くに「蓬莱島」という飲食店があり、この周辺も多くの人が立ち寄っているようです。

宮古駅

『JR山田線』の乗り換えに利用する駅であり、多くの滞在が見られました。
観光名所である「浄土ヶ浜」「青の洞窟」や、お刺身が食べられる休憩スポットとしても口コミで評判の「宮古市魚菜市場」、本州最東端の道の駅「みやこ」などがあり、地元住人だけでなく観光客も多く訪れる駅です。

普代駅

他の駅と比べると滞在が少ないですが、道の駅を併設しているため駅周辺と「普代浜園地キラウミ」に滞在が見られました。

堀内駅

ドラマのロケ地にも使用された駅ですが、駅周辺の観光スポットというよりは乗車中に車窓を楽しめる区間が魅力的なようです。「大沢橋梁」と「安家川橋梁」では景色がよく見えるように、日中帯は橋の上で列車が一時停車、または徐行します。

陸中野田駅

こちらも道の駅を併設している駅です。道の駅にあるソフトクリーム屋には野田村の海水を煮詰めて作る「のだ塩」と野田村産の食用菊が隠し味の「のだ塩ソフト」が有名で、観光の際はぜひとも食べてみたい一品です。駅から離れると、「野田村地域包括支援センター」や「野田村役場」で滞在が見られました。

久慈駅

リアス線の最北端に位置し、三陸鉄道終点となる久慈駅は、ドラマの舞台となった駅です。滞在データで見ると、駅周辺の他に「道の駅くじ」「岩手県立久慈病院」「ショッピングモール」で多くの滞在が見られました。ドラマの主人公が海女として潜っていた「小袖海岸」は県外からの訪問者もおり、聖地巡礼や観光スポットとして人気があるようです。

・各駅の滞在比率

今回フォーカスした各駅の滞在比率はこのような結果となりました。
どの駅も魅力的ですが、宮古駅は盛岡駅を繋ぐ乗り換え地点であり、観光スポットが多いことから特に滞在比率が高いようです。

 

4. 調査元データ

データは弊社アプリ「SilentLog」から匿名化されたものであり、推定情報に基づいています。
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます

<データ概要>

【調査対象期間】
2023/4/1  − 2024/3/31

【調査対象エリア】
・盛駅
・釜石駅
・大槌駅
・宮古駅
・普代駅
・堀内駅
・陸中野田駅
・久慈駅

【各駅の滞在者数】
2023/4/1  − 2024/3/31 にマップに表示された駅周辺の滞在者合計数を100とした時の比率

【結果まとめ】
・宮古駅をはじめとした、別路線への乗換駅での滞在が多い
・大沢橋梁と安家川橋梁の停車スポットで滞在が見られた
・観光客にも人気のスポットはやはり滞在が多く見られた

 

5. 今年で開業40周年を迎える三陸鉄道

公式サイトで紹介されている40周年キャンペーンの一部を紹介いたします。
三陸鉄道公式サイト:https://www.sanrikutetsudou.com/

・40歳限定!無料乗車キャンペーン
三陸鉄道40周年と同い年である40歳の方は、三陸鉄道リアス線全線を年1回限定で無料乗車できるキャンペーンです。切符の購入やご利用について各条件がございますのでご興味のある方は公式サイトから詳細をご覧ください。

・三陸鉄道開業40周年記念「ウニ列車」
40周年記念として、従来の「プレミアムランチ列車春号」をグレードアップさせ、新たに「ウニ列車」を運行するそうです。車内では「生うに丼」や「うに丼(蒸し)」などが提供され、美しい大自然の車窓を眺めながら列車の中で「生うに丼」を食べられるのは大変珍しく、特別な体験ができます。車内サービスには「アテンダントによる車内ガイド」「記念乗車証」「海女さん・三鉄社員なりきりフォトコーナーの設置」があります。
運転日は2024年5月18日から6月16日までの土休日(全10回)です。ご興味のある方は公式サイトから詳細をご確認ください。

・三陸鉄道開業40周年記念400円きっぷ
2024年度内に4回「三陸鉄道開業40周年記念400円きっぷ」を発売し、全長163kmの三陸鉄道全線が1日400円で乗り放題できるキャンペーンを実施しています。(キャンペーン実施当日1日限り有効)第1回目は 2024年4月13日(土)に実施されました。盛駅〜久慈駅は3,780円なのでとてもお得に三陸鉄道を楽しむことができます。
その他の3回は、9月実施予定の大船渡派出所「3鉄まつり」、10月実施予定の「宮古車両基地まつり」、11月実施予定の久慈派出所「秋のさんてつまつり」開催日のようです。きっぷの発売日は決定次第お知らせするようなので、三陸鉄道開業40周年記念特設ページをご確認ください(https://www.sanrikutetsudou.com/40th/

三陸鉄道に乗車の際は「さんてつアプリ」を利用すると、駅ごとのおすすめスポットや列車の現在地を確認することができ、ポイントまで貯まるのでお得に利用することができます。詳細はアプリページをご覧ください。
さんてつアプリ:https://santetsu.rei-frontier.jp/

6. 今回のまとめと今後の展望

今年で開業40周年を迎える三陸鉄道の魅力に迫りました。
また、三陸鉄道の社員と地域住民のボランティアによって発行されている「駅-1(エキイチ)グルメ」では、飲食店を調査し、お店や料理を紹介しているので、こちらの冊子を片手に三陸の旅をすれば、さらに楽しむことができそうですね。

太平洋を一望できる場所や、新鮮な海鮮をいただきながら自然を堪能できる三陸エリアは、心地よく観光することができそうです。季節ごとにイベント列車が走り、地元住人に愛される三陸鉄道ですが、観光客にも愛される魅力をお伝えしてまいりました。私も三陸鉄道に乗車する際はウニ丼をいただきながら太平洋をのんびり眺めたいと思います。

弊社独自で収集した人流データを使って、新しい観光施設開業前後の来場者数の変化や属性を分析することで、企業誘致や新しい施設の効果測定など様々な施策に活用することができます。
今後も位置情報データを活用して、各種施設の利用傾向や地域の特性を探ることで、より効果的な施策やサービスの提供に努めていきます。レイ・フロンティアは、最新の技術を駆使し、地域社会と連携しながら、より良い未来の構築に取り組んで参ります。

 

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